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幸福度ランキング世界56位日本の若者が幸せになれない理由 [豊かさとは、幸福とはなにか]

幸福度ランキング世界56位日本の若者が幸せになれない理由(20220506)

国連が3月19日に発表した「世界幸福度ランキング」2021年版では、フィンランドが4年連続で1位となり、2位デンマーク、3位スイス、4位アイスランド、5位オランダと続いた。日本は前年から4つ順位を上げたものの56位にとどまった。「世界と広がる幸福度格差には、コロナよりももっと別の要因が影響している」と言われている。
■2021年世界幸福度ランキングTOP10
1位 フィンランド
2位 デンマーク
3位 スイス
4位 アイスランド
5位 オランダ
6位 ノルウェー
7位 スウェーデン
8位 ルクセンブルク
9位 ニュージーランド
10位 オーストリア

「幸福度」へのコロナの影響は限定的だった?
新型コロナウイルスの幸福度への悪影響より、コロナ禍かで得た「他者との連帯感や仲間意識、つながり」のほうが、幸福度に大きなプラスの影響を与えたと理解できます。

「World Happiness Report 2021」による世界幸福度ランキングは、主に次の6つの項目のアンケート調査を中心に選出されています。
1.人口あたりGDP
2.社会的支援(ソーシャルサポート、困ったときに頼ることができる人がいるか)
3.健康寿命
4.人生の選択の自由度
5.寛容かんようさ(過去1カ月の間にチャリティーなど寄付をしたかなど)
6.腐敗の認識(不満、悲しみ、怒りの少なさ、社会、政府の腐敗が蔓延まんえんしていないか)

確実にいえることがあります。私たちの幸福度には、人生で何をするかを選択できる「自由度」と、相手を受け入れて人とのつながりを作る「寛容さ」が影響する

昨今、日本では度々「女性を軽視する発言」や「女性の社会活躍」が課題として取り上げられています。また、貧富の格差から学業や就業において選択の幅が限られるなどの現象も起きています。「人生で選択できる自由度」は、世界と比較するとまだまだ低いことがうかがえます。

「人は『自分で選ぶことができている』と実感すると幸福度が高まる」ことがわかっていますから、この部分が世界との幸福度格差を埋めるうえで日本の課題であることは間違いないところ。

75年という長期にわたり「人の幸福度」について研究した「ハーバードメン研究」(ハーバード大学)では、人の幸福度に最も影響を与えるのは「温かな人間関係である」と結論づけています。

「温かい人間関係を築くことができた」トップ10%の人は、下位10%の人と比較して専門分野で成功した人が3倍多く、年収も高いという結果も出ています。

温かな人間関係を築くうえで必要となるのが、自分と意見が違う人たち、立場が異なる人たちの意見を聞き、どれだけ理解を示すことができるかという「寛容さ」です。

今回の調査においてこの数値が低かった日本は、科学的な知見からも、世界との幸福度格差を解消していくうえでも、そして、日本人の幸福度そのものを高めるうえでも、「他人への寛容さ」が社会の課題であるといえるでしょう。

温かい人間関係を築くには、「人を愛する力」が最も大きな影響を与えます。これは、精神論ではなく科学的な話です。「人を愛する力」がある人は、相手に興味を持ち、相手の話を聞くようになる。つまりは、相手を受け入れやすくなるのです。

そして、「人を愛する力」の磨き方も科学的に明らかになっています。人を愛する力は「幸せホルモン」といわれる「オキシトシン」の影響を受けます、つまりは、「オキシトシン」が分泌される行動を取ると自然に人を愛する力が身につき、最終的に寛容さも持てるようになって、良好な人間関係が築かれるのです。

オキシトシンが分泌される3つのアクションプラン
良好な人間関係を作るべく、オキシトシンが分泌されるアクションプランを3つ紹介します。

スキンシップ
人と直接触れ合うことでオキシトシンが分泌されることがわかっています。もちろん、コロナ禍においてスキンシップには注意が必要ですが、家族などとハグをしたり、マッサージをしたりすることはオキシトシンの分泌に効果的です。ペットとのスキンシップでもオキシトシンが分泌されるので、ペットを飼うことも幸福度が高まるといえるでしょう。

心が温まる映画を観る
人間の脳には「ミラーニューロン」という神経細胞があります。視覚から得た情報を体験するので、心温まる映画を観ることでオキシトシンが分泌されることがわかっています。

1日5善をする(1日1善は効果がない)
人に親切な行為をするとオキシトシンが分泌されることがわかっています。しかし、1日1回程度の親切では脳に記憶が残らず、幸福度に影響がないことがわかっています(米カリフォルニア大学の研究)。
1日1善よりも1週間に1回の1日5善が科学的に有効です。

コロナ禍でも、日本の幸福度ランキングは、わずかではありますが上昇しました。世界との幸福度格差では「自由度」と「寛容さ」に課題はあるものの、言い方を変えれば「それだけ伸のび代しろがある」ともいえます。

私たち日本人一人ひとりが生きやすい社会をつくるために、自分の幸福度を高めるためのアクションから始める。それが最終的に、世界との幸福度格差を縮めることになる。

(KADOKAWA)星 渉、前野隆司『99.9%は幸せの素人』
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